自宅だからこそできるQOLの維持

私がしたい看護ではなく、患者さんが求める看護を。

新卒から急性期病棟で働き、ワークライフバランスを考えてトータルケア津田沼へ。病棟との「ギャップ」に戸惑いながら、在宅で患者さんの「選択の機会」を支える看護に気づいていった、ステーションリーダー 山口幸奈の手記です。

トータルケア津田沼の看護師 山口幸奈
名前
山口 幸奈(Yukina Yamaguchi)
所属
トータルケア津田沼 ステーションリーダー
プロフィール
新卒から急性期病棟に勤務。ワークライフバランスを考えてトータルケアに入職し、訪問看護は初めて。

手記

ステーションリーダー/トータルケア津田沼

急性期病棟から、訪問看護へ

私は新卒から急性期病棟で働いていました。入院当初から退院を見据えてADLや認知機能の低下を防ぐ関わりを行い、急性増悪を繰り返さないよう患者さんやご家族への説明を徹底するなど、それぞれの疾患に対して最善のケアを提供してきました。

その後、ワークライフバランスを考えトータルケアへ入職しましたが、訪問看護の現場は驚きの連続でした。

在宅では、患者さんの希望が何よりも優先される

病棟とのギャップを最も感じたのは、在宅では患者さんの希望や考えが何よりも優先されるという点です。患者さんの希望を理解したうえで対応しようとすると、疾患に対する「最善のケア」が提供できないことも多くあります。

もちろん病棟でも本人やご家族の希望は確認していましたが、病院での優先度は「疾患の悪化を防ぐこと」にあります。退院後も疾患と付き合いながらベストな状態で生活していただくため、生活指導も数多く行ってきました。

家に帰れば病院ほど厳格でなくて良いことは認識していましたが、疾患がある以上は制限がつくのは仕方ない、体のことを考えれば制限は必要不可欠だと考えていました。

思っていたよりも、ずっと自由に

しかし、実際に訪問してみると、皆さんが私が思っていたよりもずっと自由に過ごされていたのです。

お看取りの段階であれば、残された時間を自由に過ごすことは大切だと分かっていました。しかし、すぐに看取りという状態でなくても、自由に過ごして疾患が悪化してしまうのではないかと、最初はそわそわしていました。看護師として、疾患へのアプローチが甘いのではないかと、もやもやする場面もありました。

「選択の機会」を制限していたのは、私だったのかもしれない

訪問の回数を重ねるうちに、患者さんはどの方も好きな時間に好きなことをして、好きなものを食べ、好きなテレビを観て、好きな人と生活をされていると気づきました。疾患に対する最善のケアはできていないかもしれないけれど、病院よりも高いQOLで過ごされていると感じたのです。

病気がなければ当たり前にしていたことを、病気のせいで制限したり諦めたりするのは仕方がないと考えていた私は、これまで患者さんの「選択の機会」を、自分の判断で制限してしまっていたのではないかと深く考えさせられました。

自分らしく生きる中での「最善のケア」を

これからは、自分らしく生きる中で「疾患に対して何が最善のケアか」を考えることが、私の役割だと捉えるようになりました。それは疾患を理解するよりもずっと難しく、工夫のいることであり、今までは経験できなかった分野です。

今の状態や今後の予測を本人やご家族へ丁寧にお伝えし、そのうえで「どうしたいのか」を考えられるようにサポートしていく。本人が高いQOLを保ったまま、なるべく長く穏やかな時間を過ごせるよう看護を提供していきたいと考えています。

実際には言葉で並べるよりも難しく、QOLと疾患へのケアのバランスをとることに日々悩んでいます。まだ経験は浅く、上司に相談することも多いですが、疾患のみに目を向けず、疾患を抱えた状態での生活を意識できるよう常に立ち止まって耳を傾けたいです。

私がしたい看護ではなく、患者さんが求める看護を追求していきたいと考えています。

直営ステーション。コーチング研修と大学院進学制度の対象

訪問範囲、受け入れている患者さん、働き方、研修の仕組みは、ステーションのページにまとめています。

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