訪問看護を、もっと身近にするための2年の軌跡

トータルケアスタッフ【看護師/トータルケア長岡】

トータルケア長岡の看護スタッフ

訪問看護ステーション立ち上げから2年を振り返って。トータルケア長岡が始動して丸2年がたとうとしています。正直に言うと「あっという間だった」というより「ようやくここまで来たなぁ頑張ったなぁ」という気持ちのほうが強いです。

名前
Aika Kinoshita
プロフィール
トータルケア長岡の立ち上げから2年、地域連携を積み重ねてきたステーションのリーダー。

「あのステーションなら大丈夫」と言ってもらえるまで

患者も少なく、新しい事業所としての認知も少ない。どうやったら信頼を得られるか認めてもらえるか、自分達の想いは伝わるのか。周りに理解してもらうのは難しく未だに模索中なところもあります。

トータルケアにきて大変だったことは地域連携です。ケアマネさんや病院との関係づくりが大切なのはもちろん分かっていたが、最初はなかなか仕事につながらなくて、何度もこれでいいのか、続けられないのではないかとくじけました。何度も泣きながら看護相談ダイヤルに電話し、センパイ看護師に話を聞いてもらいました。

その中で少しずつ「あのステーションなら大丈夫」と言ってもらえるようになってきて、手応えを感じたのは2025年の夏を過ぎた頃からです。そこから流れも変わってきたようにも思います。

はっきり伝えることが、信頼につながる

最期まで自宅ですごすにあたり、最期に後悔してほしくない、今この時を大事にしてほしい。自分の家族だったらって常に思いながら訪問看護師としてやってきました。しかしその中で踏み込んだ話をできないことが、患者さんと関わる中でも、新規相談を受ける中でも不安なことが多くありました。

ですが、トータルケアで関わらせていただいたお看取りのケースや訪問のケースで、はっきり正しいことを伝えることが信頼につながることを学び、実践し、この人ならって思ってもらえることが自信になりました。

未だに踏み込んだ話ができない時、家族の気持ちやその場の空気に負けてしまうこともありますが、逃げないで立ち向かう勇気を手に入れました。当たって砕けろなので、今ではどんなケースも怖いものはないって思いながら仕事できています。

「はっきり正しいことを伝えることが信頼につながる」

これからの課題は「きちんと人に任せること」

2年やってきて今いちばん感じているのは、「自分が頑張る」だけではもう限界があるということ。これからはリーダーとして、きちんと人に任せることが一番の課題だと思っています。つい自分でやった方が早いと思ってしまいますが、それではチームは育たないし、長く続きません。みんながそれぞれの力を出せるようにすることが目標ですが、私自身なかなかできずにいます。

また、忙しいだけでバタバタしているのではなく「この動きは本当に必要なのか?」「もっと楽にできないのか」など、考えながら、仕事のやり方も整えていきたいです。

それから、職場の雰囲気づくりもやっぱりすごく大事にしたい。「ここで働いていてよかった」と思える場所にしていきたい。

訪問看護を、もっと身近なものに

将来的に、訪問看護そのものももっと身近なものにしたいです。具合が悪くなってからだけではなく、「ちょっと心配」「このままで大丈夫かな」という段階から関われるような存在になりたい。そのためには地域にもっと訪問看護のことを知ってもらって、「困ったらまず相談しよう」と思ってもらえるようなステーションにしたいです。

そして、若い看護師さんたちにも、訪問看護という選択肢を知ってほしいです。病院とは全然違うけど、こんな働き方もあるんだよと伝えていくのも、これからの自分の役目だと思っています。しっかり休む。抱えない。が2026年の課題です!

携わってくださる皆さんあっての丸2年

私一人で作り上げたものではなく、トータルケア長岡に携わってくださる皆さんあっての丸2年でした。出会いもあれば別れもありました。皆さんに支えていただき、一つ一つの課題をみんなで乗り越えた長岡のステーションは少しずつ、地域の皆様に周知していただけてきていると感じます。

「私の大切な人だから、あなたにお願いしたい。」

2026年9月 トータルケア長岡 ステーションリーダー Aika Kinoshita

人と関わることが、好きです

訪問看護を続けてきて、ずっと変わらないことがあります。私は、人と関わることが好きです。そして、目の前の人のために、とことん考えることが好きです。

これまで、患者さんやご家族、地域の皆様、そして一緒に働くスタッフなど、たくさんの方と関わらせていただきました。嬉しかったことも、悩んだことも、うまくいかなかったことも。その一つひとつが、今の私の糧になっています。

この方が私の家族だったら

看護師として患者さんに関わるとき、いつも心に置いていることがあります。この方が私の家族だったら、私はどうしてほしいかな。どんな声をかけてほしいかな。どんなふうに関わってもらえたら安心するかな。

「今日いちばん、つらいことは何ですか?」「今、一番困っていることは何ですか?」

目の前の方にとって、本当に必要なことは何なのか。分からなければ調べる。人に聞く。必要であれば、医師やケアマネジャー、他の職種の方々にも相談する。その方にとって良いと思うことなら、どうしたらできるのかを、みんなで考える。それが私が大切にしている看護です。

残された時間を、大切にしてほしい

以前、がんの終末期を迎えた方のご家族から、「家で看たい。でも、どうしたらいいのか分からない」と相談を受けたことがありました。大切な家族を家で過ごさせてあげたい。でも、これから何が起こるのか分からない。不安でいっぱいになるのは、当然のことだと思います。

終末期の方に関わる中で、身体の変化から「もう少しの時間かもしれない」と感じることがあります。正確な時間を言い切ることはできません。それでも私は、必要な時にはそのことを曖昧にせず、ご家族にまっすぐ伝えることを大切にしています。時には、「そんなこと言わないで」「あなたに何が分かるの」と言われたこともあります。

それでも、残された時間を大切にしてほしい。後悔してほしくない。そう思うからこそ、向き合うことを大切にしています。

手を握ること。声をかけること。一緒に過ごすこと。おいしいものを食べること。昔話をすること。「ありがとう」を伝えること。

亡くなってからでは、その人の温かさを直接感じることはできません。だからこそ、生きている今、その人をたくさん感じてほしい。

「ここにお願いしてよかった」と思ってもらえるステーションに

「トータルケアに相談してよかった」「来てもらってよかった」。そう言っていただくことがあります。でも実は、その言葉に私たちのほうが助けられています。

「ちょっと心配なんだけど」「このままで大丈夫かな」。そんな時に、困った時の相談先がある。トータルケアに相談してみよう。そして、「ここにお願いしてよかった」と思ってもらえる。そんなステーションを、スタッフみんなでつくっていきたいと思っています。

訪問看護を、もっと身近なものにしたいです。その人にとって何が一番いいのかを、とことん考える。目の前の人を大切にする。そしてその人が大切にしている人も、一緒に大切にする。私はこれからも、そんな看護をしていきたいです。

「私の大切な人だから、あなたにお願いしたい。」そう思っていただけるトータルケアを、これからもスタッフみんなでつくっていきたいと思います。

トータルケア長岡の、いま

2026年9月のステーションの様子です。訪問に出る前の入口で、書類を囲む事務所で。立ち上げから2年を経て、仲間が増えました。

  • ステーションの入口で、3人の看護師が両手を広げて笑う
  • ステーションで、パソコンと書類を囲んで話し合う看護師たち
ステーションの中で、7人の看護師が並んでピースサインをする
2026年9月、長岡のメンバー7人。立ち上げ時の4人から、仲間が増えました。

ステーションの訪問範囲・働き方・メンバー紹介はトータルケア長岡のページをご覧ください。

この看護師が働く「トータルケア長岡」の拠点情報や、ほかの看護師インタビューもご覧ください。

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