看護師の転職課題

足りないのは「看護師」ではなく、「続けられる職場」。

最終更新: (概要版)。数字は公的統計・業界調査から引用し、出典と時点を添えています。

看護師の転職課題。足りないのは「看護師」ではなく、「続けられる職場」。2025年 最大27万人不足(2019年時点の需給推計・2025年の実績ではありません)、潜在看護師 約70万人(2012年推計)。出典: 厚生労働省 看護職員需給分科会資料ほか。子どもを送り出してから出勤する看護師と時計・カレンダーのイラスト

看護師の2人に1人は転職を経験し、経験者の勤務先は平均3.1か所。転職は、看護師のキャリアでは珍しいことではありません。それでも転職のたびに迷うのは、「次の職場で続けられるか」が見えにくいからです。看護師は全国で足りず、選べる立場にあるのに、人生の節目で仕事を手放す人が多く、免許を持ちながら離れている人は約70万人。転職で迷う理由は「あなたの力が足りない」ことではなく、「働き続けられる形になっている職場が少ない」こと。このページでは、転職を考える看護師が知っておきたい数字を確かめ、課題ひとつずつにトータルケアがどう応えているかを具体的なページへつなげてお伝えします。

1. 数字で見る、転職の現実

主張・数値・出典・時点の4点セット

転職をめぐる数字(出典・時点つき)
項目(主張)数値出典時点
2025年の看護職員の需給需要約202万人に対し供給約175万〜182万人。6万〜27万人が足りない。東京は4万〜5.4万人厚生労働省 看護職員需給分科会 中間とりまとめ2019年11月推計
訪問看護ステーションで働く看護師の割合就業看護師の6.7%(常勤換算6.4%)厚生労働省 衛生行政報告例(報道)2024年末
転職を経験した看護職員50.9%(20代17.5%・30代41.0%・40代58.5%・50代65.9%・60歳以上68.7%)日本看護協会 2025年 看護職員実態調査(表25・統計表22)2025年10〜11月調査
転職経験者が所属した勤務先の数平均3.1か所。1〜2か所46.9%・3〜4か所36.0%・5〜6か所10.7%・7か所以上4.3%。年代別の平均は20代2.3〜60歳以上3.8か所同上(表26・統計表23)同上
直近の転職先に就職したきっかけ友人・知人の紹介31.0%・転職先のホームページ21.3%・ハローワーク14.6%・民間の職業紹介事業者12.4%・ナースセンター9.0%・求人サイト7.9%同上(表27)同上
勤務先を退職した回数(看護職員として)0回39.4%・1回26.5%・2回16.0%・3回9.0%・4回3.9%・5回以上3.5%厚生労働省 看護職員就業状況等実態調査(表14)2011年
現在の勤務先での勤続年数/看護職としての通算経験平均12.4年/平均19.9年日本看護協会 2025年 看護職員実態調査(表23・24)2025年
病院の看護職員の離職率(最新)正規雇用11.0%・新卒8.4%・既卒16.1%。東京13.0%・神奈川13.3%・埼玉12.1%・千葉12.9%日本看護協会 2025年 病院看護実態調査(表25・26)2024年度
一般企業との比較(離職率)全産業14.2%・一般労働者(フルタイム)11.5%・パートタイム21.4%・女性16.0%。産業別: 医療,福祉13.8%・卸売,小売15.1%・宿泊,飲食25.1%・製造9.6%・情報通信10.2%・金融,保険8.0%厚生労働省 令和6年 雇用動向調査 結果の概況2024年
新規学卒者の3年以内離職率大卒34.9%・高卒38.4%(看護師の新卒1年以内離職率は8.4%)厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)2024年10月公表
看護職として働き続けたい(就業継続意向)62.9%(とてもそう思う18.5%・ややそう思う44.4%)。あまり・全く思わない21.8%日本看護協会 2025年 看護職員実態調査(表54)2025年
再就職に必要な支援(離職中で働きたい人)時間外労働の免除49.5%・休日労働の免除44.9%・短時間勤務44.9%・夜勤の免除・軽減33.9%厚生労働省 看護職員就業状況等実態調査(図17)2011年
病院の看護職員の離職率正規雇用11.3%・新卒8.8%・既卒16.1%。99床以下の病院の既卒は21.8%日本看護協会 2024年 病院看護実態調査2023年度実績
新卒看護師が辞めた理由(上位)心身の健康への不安52.5%・看護の適性への不安47.4%・看護実践能力への不安41.6%・上司や同僚との人間関係29.8%同上2023年度
離職の理由(全体)妊娠・出産22.1%、結婚17.7%厚生労働省 看護職員就業状況等実態調査2011年
潜在看護師の数約70万人日本経済新聞(厚生労働省推計を引用)2020年推計
訪問看護への興味と不安興味あり3割超、不安あり9割。経験者から情報を得ているのは6割レバレジーズ 看護師の「訪問看護の仕事」に関する意識調査(PR TIMES・看護師957人)2017年12月
病院の病床数と看護職員病床 158.3万床(2011年)→147.0万床(2024年)。病院の看護職員 101.2万人(2020年)→98.7万人(2023年)。介護分野の需要 33.2万人(2018年度)→50.0万人(2040年度・約1.5倍)厚生労働省 医療施設調査/2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会2024年/2040年推計
トータルケアの実績希望年休消化率100%・男女育休取得率100%・看護師の残業 月22時間→8.5時間実績・エビデンス社内実績

2. 転職は、看護師の2人に1人が経験している

転職経験あり50.9%、経験者の平均は3.1か所。回数より「次で続けられるか」

転職は、2人に1人が経験している。看護職員の転職経験あり50.9%。年代別の転職経験あり: 20代17.5%、30代41.0%、40代58.5%、50代65.9%、60歳以上68.7%。経験者の勤務先は平均3.1か所(転職2回が目安)。現在の勤務先での勤続 平均12.4年、看護職としての通算 平均19.9年。出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(2026年3月)。現職勤続年数は正規雇用フルタイム職員、年代別は同一人物の経年変化ではない。折れ線グラフとカード

日本看護協会の2025年調査では、転職を経験した看護職員は50.9%。経験者がこれまでに所属した勤務先は平均3.1か所(1〜2か所46.9%、3〜4か所36.0%、5か所以上15.0%)で、転職2回が目安です。年代が上がるほど増え、20代では17.5%、40代で58.5%、50代では65.9%が転職経験者です。現在の勤務先での勤続年数は平均12.4年、看護職としての通算経験は平均19.9年(出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。転職は、看護師のキャリアでは珍しいことではなく、通常の一部です。

直近の転職先に就職したきっかけで最も多いのは「友人・知人からの紹介」31.0%。転職先のホームページの求人21.3%、ハローワーク14.6%、民間の職業紹介事業者12.4%と続きます。20代は紹介事業者22.4%・求人サイト17.6%が多く、30代は転職先のホームページが34.1%で最多でした(出典: 同調査)。職場を選ぶ決め手は、広告ではなく「そこで働いている人」です。

転職先を決めたきっかけは、「人」。直近の転職先に就職したきっかけ(転職経験者・複数回答): 友人・知人からの紹介31.0%、転職先のホームページの求人21.3%、ハローワーク14.6%、民間の職業紹介事業者12.4%、ナースセンター9.0%、民間の求人サイト7.9%、新聞・チラシ4.0%。20代は紹介事業者22.4%・求人サイト17.6%、30代は転職先のホームページ34.1%が最多。出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(2026年3月)表27・統計表26。横棒グラフ

トータルケアの取り組み

  • 働いている人に、先に会える——看護師たちのストーリーの「この看護師さんと話をしてみる」から、気になる看護師とそのままカジュアル面談(履歴書不要)ができます。
  • 決める前に、お茶を飲みながら聞ける——ほうかんカフェ。面接ではないので、転職をまだ決めていなくても参加できます。
  • 転職が3回目でも、4回目でも——問うのは回数ではなく、次の職場で続けられるかどうか。トータルケアで働きたいと考えている方へに、経験者・ブランクのある方・新卒それぞれの入り方をまとめています。

3. 看護師は「選べる立場」にいる

2025年に最大27万人が不足。都市部ほど足りず、訪問看護で働く看護師は6.7%

厚生労働省の推計では、2025年に必要な看護職員約202万人に対し供給は約175万〜182万人。6万〜27万人が足りない見込みで、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・福岡など都市部で差が大きくなっています。訪問看護ステーションで働く看護師は就業看護師の6.7%。在宅のニーズが伸びる一方、担い手は病院に集中したままです。転職を考える看護師にとって、これは「選べる」ということです。求人が多いからこそ、条件表の数字ではなく、自分の生活と看護観に合う職場を見きわめる目が要ります。

病院は、これまでどおりの受け皿ではなくなる。病院の病床数 158.3万床(2011年)から147.0万床(2024年)、13年で11.3万床減。病院で働く看護職員 101.2万人(2020年)から98.7万人(2023年)へ減少に転じた。将来の需要推計: 医療機関は2035年ごろ頭打ち、訪問看護を含む介護分野は33.2万人(2018年度)から50.0万人(2040年度)へ約1.5倍。看護師の活躍の場が、地域へ広がっていく。出典: 厚生労働省 医療施設調査(令和6年)、新たな地域医療構想とりまとめ(2024年12月)、看護師等確保基本指針検討部会(2023年)、2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会 資料5(2026年4月)

受け皿の側も変わります。病院の病床は2011年の158.3万床から2024年には147.0万床へ13年で11.3万床減り、病院で働く看護職員も2020年の101.2万人から2023年は98.7万人と減少に転じました。国の推計では、医療機関の看護職員需要は2035年ごろに頭打ちとなる一方、訪問看護を含む介護分野は2018年度の33.2万人から2040年度には50.0万人へ約1.5倍。看護師のキャリアの選択肢は、病院から地域へ広がっていきます。「病院を離れたら看護師として終わり」ではなく、地域で続ける道が本流になりつつあります(出典: 厚生労働省 医療施設調査・新たな地域医療構想とりまとめ・2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会 資料)。

トータルケアの取り組み

4. 辞めやすいのではなく、「次の職場」が合うかどうか

離職率は一般企業と同じ水準。差が出るのは「転職してきた人」の定着

看護師の離職率は、一般企業と同じ水準(2024年・2024年度。調査対象が異なるため参考比較)。看護職員(病院・正規雇用)11.0%、一般労働者(フルタイム・全産業)11.5%、医療,福祉13.8%、全産業14.2%、既卒採用の看護職員16.1%。差が出るのは「転職してきた人」の定着。別指標: 新卒看護職員の1年以内8.4%、大卒全体の3年以内34.9%(観察期間が違うため単純比較不可)。出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」、厚生労働省 令和6年雇用動向調査・新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒)。横棒グラフ

病院の正規雇用看護職員の離職率は11.0%(2024年度)。全産業の一般労働者(フルタイム)の離職率11.5%、医療・福祉全体の13.8%、全産業平均の14.2%と比べても、看護師が特別に辞めやすいわけではありません(出典: 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」/厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」)。新卒看護師の1年以内離職率は8.4%で、大卒全体の3年以内離職率34.9%より低い水準です。一方、既卒採用者(転職してきた人)の離職率は16.1%と高く、転職先とのミスマッチが起きやすいことを示しています。離職の理由では妊娠・出産が22.1%、結婚が17.7%と、人生の節目に仕事を手放す人が多く、夜勤の負担が重い二交代の施設ほど離職率が高い傾向があります。転職先を選ぶときに見るべきは、給与の額の前に、結婚・出産・子育て・介護という節目を越えても働き続けられる形かどうかです。新卒では「心身の健康への不安」52.5%、「看護実践能力への不安」41.6%が上位です。

トータルケアの取り組み

5. いったん離れても、戻れる

免許はあるのに働いていない看護師は約70万人。ブランクは、珍しいことではない

戻るための条件は、はっきりしている。再就職に必要な支援(離職中で働きたい人): 時間外労働の免除49.5%、休日労働の免除44.9%、短時間勤務44.9%、夜勤の免除・軽減33.9%。潜在看護職員 約70万人(65歳未満・2018年末推計)。女性人口との比較 約23人に1人(女性就業看護職員数と15〜64歳女性人口の比較・年齢範囲が異なる概算)。出典: 厚生労働省 看護職員就業状況等実態調査(2011年)、衛生行政報告例(2024年末)ほか。玄関で子どもを送り出す看護師のイラスト

免許を持ちながら看護の仕事に就いていない「潜在看護師」は約70万人と推計されています。出産や育児、介護、体調で一度離れることは、看護師のキャリアではよくあることです。働く時間を自分で決められ、夜勤がなく、ブランクを埋める学び直しがあれば、戻ってこられる人は少なくありません。

看護師が足りないのではなく、働く環境が足りない。資格と経験を、地域で生かせる働き方へ。就業看護職員 約170万人(2024年末)。働く世代の女性人口に対する女性就業看護職員数の目安 23人に1人。免許を持ちながら働いていない潜在看護職員(65歳未満)約70万人(2018年末推計)。看護職員に占める女性 92%(2024年末・実数91.9%)。地域には、看護師の資格を持った人が十分にいる。生活を守ったまま働ける場があれば、もっと力を貸してくれる。出典: 厚生労働省 令和6年 衛生行政報告例、総務省 人口推計(2024年10月1日)、看護師等確保基本指針検討部会資料。国民全体では73人に1人、23人に1人は女性就業看護職員数と15〜64歳女性人口の比較(概算)

あなたの周りにも、同じ免許を持つ人は多いはずです。就業看護職員は2024年末で約170万人、その91.9%が女性。働く世代(15〜64歳)の女性人口と比べるとおよそ23人に1人が看護職員として働いている計算で、そこに離れている約70万人が加わります。ブランクのある看護師は、少数派ではありません。足りないのは資格を持つ人ではなく、生活を守ったまま働ける場所です(出典: 厚生労働省 令和6年 衛生行政報告例/総務省 人口推計 2024年10月1日。23人に1人は当社の概算)。

離職中で「看護職員として働きたい」と答えた人が再就職に必要とする支援は、時間外労働の免除49.5%、休日労働の免除44.9%、短時間勤務44.9%、夜勤の免除・軽減33.9%(出典: 厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査」2011年)。戻るための条件は、はっきりしています。転職先や復職先を選ぶときは、この4つが制度としてあるか、実際に使われているかを確かめてください。

トータルケアの取り組み

  • ブランクがあっても、トライアルから——ほうかんトライアル。看護から離れて数年たった方も、お試し期間で感覚を取り戻せます。
  • 根拠から学び直す——看護概論・解剖生理・看護過程を現場の経験とつなぎ直す「Relearn」。育成支援
  • 復職した看護師の声——看護師たちのストーリーに、看護から離れていた期間を経て戻った人の話があります。

6. 訪問看護に「興味はあるが、不安」が9割

一人で訪問する怖さ、判断への不安

看護を続けたい人は62.9%。その気持ちを、職場が削っていないか。看護職としての就業継続意向: とてもそう思う18.5%、ややそう思う44.4%、あまりそう思わない18.4%、全くそう思わない3.4%、わからない4.2%、無回答11.1%。訪問看護への意識: 興味あり3割超、不安あり9割(別調査: 2017年12月、レバレジーズの意識調査、看護師957人)。出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」(2026年3月)/レバレジーズ 看護師の「訪問看護の仕事」に関する意識調査。ドーナツグラフ

看護師への意識調査では、訪問看護に興味を持つ人が3割を超える一方、9割が不安を感じ、その多くが経験者からではなくインターネットの情報で不安を抱いています。訪問看護師が感じるストレスで最も多いのは「自分の判断は正しいか」という不安です(出典: レバレジーズ 看護師の「訪問看護の仕事」に関する意識調査・2017年12月・看護師957人)。

看護職として働き続けたいと答えた看護職員は62.9%(とてもそう思う18.5%・ややそう思う44.4%)。残りの約2割は「あまり」「全く」そう思えずにいます(出典: 日本看護協会「2025年 看護職員実態調査」)。看護を続けたい気持ちを、職場の側が削っていないか。転職先を選ぶときに、確かめてほしいことです。訪問看護への不安の多くは、経験者に直接聞くことで小さくなります。

トータルケアの取り組み